インプラント治療は人工物であり、建築と同じような考え方が必要になる。1本抜けてそこに1本の
インプラントで回復させるのは容易であっても複数歯の欠損となると話は変わってくる。
all on 4という
インプラント植立の方法があるが4本の
インプラントで12本の歯を回復させるというコストパフォーマンスの高い方法である。これは机やいすの脚に相当する部分が
インプラントの柱になって机のプレートや座面が歯の部分になる。4角に配置よく太い杭があれば安定感は抜群によい。昔3本の
インプラントで10本ぐらいの歯を回復するという方法もあった。しかしこれらの方法の欠点は1本でも欠損するとたちまち安定感をなくしてしまうということだろう。
インプラントが永久的な太い柱であれば問題はないが鉄筋コンクリート造の家だって耐久年数は50年ほどであるのだから口の中でこれ以上持つはずはない。
また、耐震性ということも考えておく必要がある。震度7まで耐えられるのか5までに耐えられる設計にするのかによっても柱の数や種類は異なってくることから地震の部分は人間でいう咬合力に相当するわけだ。ひとそれぞれ咬合力は異なり100の力で毎日かむ人もいればその半分の50の力で咬む人もいて、50の力を毎日かけているひとのほうが同じ建築基準で建てられた構造体は長持ちすることになる。
この
トラブル症例はこの柱の本数の少なさと咬合力が少く細い
インプラント集中した結果として
インプラント破折を起こしていた。
この方はその横もさらに2本先まですべて
インプラントが破折して使えない状態になっていた。