本日の治療は保存中心の考えと欠損のための
インプラント治療が混在する一日となった。
1
症例目
過去に他のクリックで2度の
根管治療がなされている歯。部位は上顎6番目である。しかも3
根のうちの1
根に
根尖病巣が発生している。昔の私なら
抜歯を勧めていただろう。今は違う。
根尖病巣が
根管内部の消毒殺菌の不備でおきているか、歯にひび割れが入っているかをまずは見極めてから治療に入る。
根の先まで達するひび割れなら保存はほぼ無理でこの場合は
抜歯となる。今回のケースはひび割れはなく近心
根に存在する
根尖病巣だから今までの歯科医の見逃しによる
根尖病巣が考えられる。上顎6番の9割が4
根管であるという最近のデータから空いていない
根管孔をマイクロスコープで探す。肉眼では判別のつかない
根管治療は盲目の治療とも呼ばれていた。今はLEDライトで
根管内部を照らして20倍近くまで拡大してみることができるから慎重に色の違うところを超音波チップで削り見つけることができた。
この
根管を見つけて拡大
根管充填するのに2回合計150分も費やしている。保険治療ならこんなに時間はかけられないから30分でおしまいにするしかない。それだけ保険の点数が低いから時間をかけるとどんどん赤字になる。こういう環境下の日本は
根管治療の成績が著しく悪く4割の成功率だと試算されている。
米国の専門医なら9割5分という成功率だ。
2
症例目も歯冠中央付近の歯茎に腫れがある
症例。中央部分岐部のポケット値は6ミリ以上で骨の吸収もある。パーフォレーションかひび割れか歯周病が考えられる。患者さんには3つの可能性を説明してからコアを除去してから
治療方針を決めることにした。残念ながら中央部で完全に歯が割れていた。ここで初めて
インプラントかブリッジの治療の話となる。60分かけてコア除去と説明をする。患者さんも私も納得して次の治療に入れる。やはりプロセスが大事だと思う。誰もが自分の歯を失いたくないのだからすぐに
インプラント治療はまずいと思う。