歯を治すということはどういうことか?
歯科人生の大半約25年間は1本の歯、口全体の欠損を治すことに重きをおいて治療や歯科学を追及してきた。そしてなんとなく何かが違うように感じ始めて今がある。
同じ患者が数年経過してまた飛び込んでくる。今度はここを
インプラントにしてください。そしてまた数年経過してここもお願いします。このようなパターンで治療をしても本当に治療で治ったと言えるのだろうか?
やはり歯科人生の前半25年は自分のために治療していた気がするし、小手先の治療だった。いまは患者さんの将来のことといっても目先の5年や10年ではなくて死ぬまでの長いスパンで物事を考えるようになった。悪いパターンを断ち切るための教育が必要である。それには
虫歯や歯周病の
予防処置を徹底しなければ同じ悪循環を繰り返すだけだ。患者さんと原因を知って改善してもらう。元から正さなければいけない。
インプラント治療が患者を助けることはあっても原因を治す治療ではない。
インプラント治療よりも大事な歯を失った原因や生活環境を変えることが重要。
そんなことは当たり前だと言われてしまうかもしれないが本当にこれを理解して実践している歯医者や患者がどれだけいるのだろうか?1000件の歯医者で5%にも満たないと思う。歯医者は悪くなってから行くところではないと言いたいがその体制を整えている歯科はほとんどないからまた歯が悪くなる。