歯を保存する技術があがると
抜歯してインプラント治療をおこなうことは極めて少なくなる。昔ならば
抜歯と決めつけていた歯を今日は2本助けることができた。
根管治療の成績は1回目に行うものが9割、2回目以降で
根尖部に病巣があるもので6〜7割である。さらにその予後不良の
根管治療後の歯を外科的に
根尖部の病巣を直接取ってしまうマイクロエンドサージェリーをおこなえば9割の成功率を収めることができる。トータルでは9割以上の成功率で
根管治療で治すことができる。しかし、国内の一般臨床での
根管治療の成功率はわずかに4割であるというデータがある。その多くは
根管内がうまく殺菌されていない状態で
根管充填がされたり不十分な
根管充填処置である。従来の方法では肉眼で歯の内部をみても真っ暗でほとんど手探りの治療法であり、内部がきれいになっているかどうかを確認する方法はなかった。そこに顕微鏡が歯科でも導入されて内部を明るく20倍大まで拡大できるようになり、著しく成功率が高くなった。ただし、マイクロスコープ顕微鏡を使用しても
根管内の仮詰が甘かったり、ラバーダムのような唾液を排除する行為を行わないとすべてが無駄になってしまう。
根管の内部をできるだけ清潔で無菌化することが最も重要である。
本日は前回
根管の内部からアプローチして経過が芳しくないために外科的マイクロエンドサージェリーをおこなった。
根尖部3ミリをカットしさらに逆
根管形成3ミリ+MTAセメントで逆
根管充填処置をおこなう。
今月頭に参加した研修会で早速の成果であろう。やはり歯科は常に研究向上心を持ち前進していくことが大事である。