星野歯科ではあらゆるケースにおいてチタン以外の金属を使わないように徹底している。その理由としては金属によるアレルギーを回避するためである。長年歯科の業界では修復物に金属を使うことが当たり前であった。金属に代わる耐久性のある材質がなかったからだ。代用材質としてコンポジットレジン樹脂やセラミックス、セラミック配合ハイブリッドレジン樹脂が使われてきたが強度的に弱い、変色、破折しやすいなどの欠点があり金属の耐久性に勝るものがなかった。
また、アレルギーの観点から考えるとセラミックスが有利である。色調も歯の色に合わせることができるなど利点が多い。その一方でセラミックスのチッピングという問題がある。
チッピングの対処としては研磨、ハイブリッドレジン樹脂でのリペアがある。それでも10数年経過すると被せ直しの方がいいケースも出てくる。
そこに登場したのが
ジルコニアという材質である。アレルギーのないセラミック系の材質で強度も従来のセラミックスの10倍と強度も十分である。
今回のフルマウスケースでは咬合面と内部は
ジルコニアで製作し、見える部分はセラミックパウダーを配合して自然な歯の色にしている。
唯一
ジルコニアと
インプラントが連結される部分はチタンベースとなっている。