１０月に入り患者さんも落ち着いて通院するようになってきた。
今日は午前中、右下５，６番（
抜歯即時埋入）午後、左下７番
フラップレス法にて
インプラント埋入手術が２件である。ともに
ストローマンインプラントSPタイプでSLActiveを使用した。
ひとりの患者はコントロールされた糖尿病でヘモグロビン値が６．８である。
ここ最近は、
ストローマンインプラントの使用率がほぼ９割となっている。SLA
インプラント表面に勝るSLActiveが４月に国内で認可が下りて以来、SLA
インプラントの在庫がなくなり次第,全ての
ストローマンインプラントはSLActiveに変えていくことにしている。
わずかに５０００円弱の材料費の違いであればコストパフォーマンスなのはSLActiveであると考えている。
例えば、成功率が長期的に１％ほどSLA表面のものより向上するとしたなら長い年月使用していくと、１０００本埋入すれば１０本のロストの差が出てくる。この１０本をやり直す労力や患者の信用度の低下を考えれば１％でも成功率が上がるならば多少はコストがかかってもそちらを使用したほうがいいと思う。
今年の４月からほぼSLAactive表面の
インプラントを治癒期間８週間としていままで通りに使っている。その理由としては４週間で荷重する場合のプロトコールからアバットメント連結は１５Ｎでテンポラリークラウンをいれること、中間歯であることブラキサーでないこと、骨造成がないことなどが条件であるのならもう１か月待ってさらにインテグレーションをおこしているSLActiveにローディングした方がより成功率は上がると考えている。
どこかの安売り
インプラントのホームページを見ていたら性能がよくなったから治癒期間が早りましたという記事をみて、これは危ないなと思った。
インプラント治療は人体に埋め込むものだから慎重に
症例を選ばなければいけない。さらに安全性が増すように使い方をしてもいいのではないかと思う。メーカーとしては早期荷重ができる国内の薬事で初めて認められた
インプラントということで売り出したのだろうが、注意書きをよく読むと、相当にケースを選ばないといけないと明記してある。私のように安全期間をとればテンポラリークラウンなしでアバットメント締結は３５Ｎで８週間でスピンもないロストもないでいいことだらけだ。
簡易的に骨の結合を判断するのにペリオテストを使用している。
ストローマンインプラントのＳＰタイプに３�个離辧璽螢鵐哀�ャップを装着して治癒期間を待つことが多く、ヒーリングキャップの上からペリオテストで動揺を数値化してみるとMAXの値が−８であり−値が出ていればインテグレーションを起こしていると判断される。
SLActiveで８週間治癒期間を経過させたものでは−８がでる確率が高いように思う。以前のSLAでは−５〜６ぐらいが多かったように思う。
また、デンタルレントゲンから見てもスレッド間のくぼみによく骨が入り込んでいる画像を多く目にする。
全身疾患で厄介なのが糖尿病と骨粗鬆症である。SLAactiveとSLAを動物実験で糖尿病状態や骨粗鬆症状態の動物に両者を植立した場合の生存率がSLAactiveの方が優位に高かったという文献もあるので今回のような糖尿病ケースにも有効であろう。
以下は糖尿病の文献
糖尿病状態でもより良い予後データを示す
SLActive（2013）Ｓｃｈｌｅｇｅｌら
世界的には糖尿病患者約400万人の約半数が診断未確定となっています。前臨床研究では、未治療の糖尿病患者は、
インプラントのオッセオインテグレーション早期に負の効果を有することを示した。
SLActivは糖尿病状態における
インプラント治療のためのより良い予後が可能であることを示唆している。
インプラントのオッセオインテグレーションを加速させた。
SLActive
インプラントは、SLA
インプラントと比較して有意に高い骨接触率と高い
インプラント周囲の骨密度を示した。
それと
抜歯即時埋入もここ３年は控えめにしているがSLActiveではSLAより骨の接触率が高かったという文献もあり今日の２名のケースには以前のSLAより有効であると言える。
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