予防歯科を掲げている歯科医院は数多く見受けられる。しかし本気で取り組んでいる歯科医院はごくわずかである。先日NHK の番組のプロフェッショナルの流儀という番組で紹介された山形県酒田市で開業している熊谷崇先生の日吉歯科診療所では、年間15000人もの患者さんをメインテナンスをしていて、この地域では全国平均よりも低い
虫歯の発生率や歯を失う本数を減らしている。ここの患者さんたちは酒田市の1割にも及ぶ。
この
予防歯科を本気で取り組むには私財を投入し、全てのスタッフに同じ教育をして環境整備をしなければスタートの位置にもつけないレベルである。そして明日から
予防歯科をスタートさせると言ってみてもスタッフ全員の意識が統一され、チームプレーができなければすぐにボロが出てしまう。
私の
星野歯科駒沢クリニックにおいても熊谷先生のクリニックでスタッフと一緒に勉強を始めて環境整備に2年間かかっていて自分の私財を注ぎ込ん何とか形になってきたところである。その間に考えの合わないスタッフは辞め、患者さんにこのような方針を説明することで今までと違うと言われ、今は乗り切った感じである。
今までの治療中心の診療から
予防中心の診療に
治療方針を大きく変える必要性から多くの歯科医院が挫折をして断念している。実際に熊谷先生のセミナーを受講しても9割は挫折するそうである。
患者さんの利益を追求していくと最後は
予防歯科に辿り着くと言えよう。この境地に達するには開業20年もの年月を要した。
開業間もない先生は開業資金の回収を第一目的としなければ経営できないことから
予防歯科中心とはいかないことが多い。
私の場合はその話は10年ほど前に完結している。
今は最善の治療法を追求している。究極の歯科治療とは何だろうか?と考えると最後は
虫歯や歯周病にならない方法を患者さんに教育していくことになる。
左下画像は新スタッフ4名が参加している熊谷先生のオーラルフィジシャンコース、右下はセミナーの講師陣