歯科で詰め物や被せ物に使用される材料には大きく分けると金属、セラミックス、レジン樹脂があり国内の保険制度では
金属アレルギーのことは全く無視されながら使用され続けている金銀パラジウム合金、
コバルトクロム合金、銀合金、と耐久性の劣るレジン樹脂しか選択できない状況である。
金属アレルギーのことを考慮すると保険制度ではレジン樹脂のみが選択肢となり全く不十分である。
自由な材質が選択できる自由診療ではセラミックス全般が使える。世界的に見ても現在の歯科の詰め物は圧倒的にセラミックスが全盛である。そんな中、昨年から年末にかけて多種多様な最新材質が登場している。
私がメインに据えている
e-maxセラミックスは既に7年目を迎えているがほとんど
トラブルを産んでいない。こわれる場合は特別咬合力が強い方である。そういう方には最強の
ジルコニア修復物で対応すれば
トラブルゼロにすることができる。
世界的にも無敵な
e-maxセラミックス(トヨタのプリウス)に対抗されて開発されたvita スプリ二ティとデンツプライ社のセルトラは焼成前の色調は全く別物であっても中身は1ケイ酸リチウム+10%酸化
ジルコニア配合であり共同開発された材料である。トヨタの86と富士重工業のBRZのようなものである。
後発の強みというのを出さなければ巻き返しは難しい。実績のある
e-maxは
CAD/CAM用、プレスセラミック用の2種類が使い分けできるのも強みであるが最近では
インプラントカスタムアバットメント用の穴あきブロックも登場しブロックのサイズも増えてさまざまなシーンで使えるようになっている。後続を更に突き放すような勢いである。
この3種類をどう使い分けすればいいか?
今のところ
e-maxセラミックスのシステムで運営しても問題がないのであまり魅力を感じられない。しいていえば
e-maxは即日修復には向いていない材料である。その点 最初から焼成されてある程度の強度のあるセルトラDUOなら最初の時点で曲げ強度210メガパスカルであり必要となればもう一回焼成すれば370メガパスカルとなり
e-maxとほぼ同じ曲げ強度にすることができる。
サプリ二ティーは必ず焼成をしないといけないことや研磨時のチッピングがしやすく取り扱いは研磨のトルクと回転数を調整しながら慎重に進める必要性があるなど
e-maxの方が有利に思える。
e-maxに勝る点でいえば
CAD/CAMで加工した時にシャープにチッピングを起こさずに削り出すことができる点にある。また、研磨が容易であることぐらいだろうか。
ラミネートべニアのような非常に薄いケースにはサプリ二ティーが優位であるともいえる。
私のクリニックの場合は
e-max pressでラミネートは対応しているのでいらないことになる。また即時修復もほとんどやらないのでセルトラDUOもいらないことになるのかと・・・
あとは色調再現性や透明感など有意な点がでてくるかもしれないのでしばらく探りをいれながら使ってみてから結論を出そうと思う
歯科医院の設備環境はさまざまであることを考えれば需要はあると思う。
画像の紫色のものが
e-maxで焼成すると歯の白さを取り戻す
飴色がサプリ二ティー、淡い白色のものがセルトラDUO