ストローマンインプラントに新しい形状のものが海外では販売となっている。ボーンレベルテーパード
インプラント略してBLTである。
ストローマンインプラントの強みは骨との結合が確実であり、さらに治癒期間が1〜2か月ととても短いこと、長期10年で97%20年で89%のハイレベルな生存率である。
これだけ良い条件であるために形状に関するラインナップは少々悪くほぼすべてがパラレル形状で唯一 TE(テーパードエフェクト)だけがテーパードタイプである。この
インプラントもその当時の
抜歯窩を埋めるための
インプラントとして登場したものだった。
かたや
ノーベルバイオケア社は全く逆のコンセプトの
インプラントであり、骨とくっつきにくいため
インプラント自身がねじくぎを模倣する形にすることで欠点を補ってきた。そのため、骨とくっつかなくてもしっかりと骨に刺さることを利用して即時荷重という概念を登場させてきた。その代表がALL ON 4である。ALL ON 4は4本の
インプラントで12本の人工歯列を支える机のような構造体システムであるが、4本の
インプラントが強靭であることその配置が偏ると大きなひずみが発生して多くの
トラブルを生んでしまう。
しかし、歯を突然すべて失ってしまうような重症な歯周病患者においては即日に歯を回復できるメリットがあるので数百人に一人はこのような治療が必要となる。
より安全に手術を行うためには、確実に骨と結合する
インプラントであること、骨に刺さり動かない形状であり強靭であることがこのALL ON 4を確実な治療に変えることができる。
今回登場したBLTはそのための
ストローマン専用の
インプラントである。
ストローマンのBLTの材質はロキソリッドと呼ばれるチタンと
ジルコニアの合金であり、チタン製のものと比較すると1.5倍の強度を有する。さらにSLAactiveであるのだから早く確実に結合する。
1か月間だけしっかりと骨と35N以上のトルク値で埋入できれば骨の初期固定が緩む3〜4週の段階では新生骨が
インプラント表面にまとわりつき結合を始めることになる。
これでもかというように
ストローマンインプラントは完璧なラインナップとなってしまった。他のメーカーの
インプラントを使う唯一の理由はコストだけということになってしまった。